鬼怒川ボランティア 第56次東北訪問
鬼怒川ボランティア 2015年9月19日~23日
メガソーラーではなく、国土交通省の河川管理不備,堤防改修,ダム放流への備えをしなかった国に責任があったと考えられます。
実際参加した感想ですが,一番大きかったのは,同じ日本に住んでいてここまで知らないことがあるのかということです。私たちは報道やメディアから日々情報を得て過ごしていますが,やはり限界があるのだと強く思いました。
門脇小学校での衝撃。みたこともない小学校の状況に思わず息をのみました。
画面に囲まれて生活している現代の若者に,画面や写真からは伝わってこない何かが確実に伝わって来ました。それは僕だけでなく,他に参加していた高校生のみんなも同じ感覚だったと思います。また,私たちは人が何人死んで何人が避難しているという「数字」にこだわりすぎているということに気づきました。人の命は1か0かなのに,それらを累積し規模を推し量る。なんだかそんなことで「すごい大変だ」とか「苦しいだろうな」とかという感情が作られていた自分に腹が立ちました。1人の人間が命を落としていること,その家族や親戚,関係している人の,数字には表せない,悲しみ,苦しみ,悔しさ…。もしかしたら言葉にも表せないのかもしれません。そういったことを抜きにして「数字」という普遍的な概念的な事で感情が作られていることを私たちは反省しなければならないと思いました。
何が復興かということも考えさせられました。
最初に行った門脇小学校の前で岩村代表がおっしゃられたことが心から離れません。
「震災から4年半経ち,今日車でここまでくる時に見たのものは何ですか?イオン,K’s電気,多彩な飲食チェーン店,我々が住んでいる街と変わらないものが新しく建ち並ぶようになりました。どうでしょう。今,東北地方は復興していると思いますか?」おそらく,これから日本が「東日本大地震」という歴史を背負っていくのと同じように,僕も代表の言葉を忘れないでしょう。それほど心に響きました。
2日目に向かった栃木県日光市鬼怒川上流では,被災された伊藤直樹さん(80歳)の貴重なお話を聞くことができました。人間はやはり「油断」が命取りになると。誰しも大丈夫だと思ってしまうのですね。自分は大丈夫と思ってしまうことが一番危険だと思い知りました。
本当はもっともっと自分の身体を痛めつけてでも,被災された方の力になりたかったのですが,時間の関係上それが叶わず残念ではありました。順調に作業が進み,少しでも早く被災された方が普段の生活に戻られることを心から願っています。
実際ボランティアという形で作業をしたりする時間は少なかったですが,それ以上に現場に自分で行って,見て,感じで,心が動いたことにとてつもない意味がありました。まさに「忘却にあらがうボランティア」となりました。
今回,神戸国際支縁機構様にご協力をいただき,このような貴重,かつ素晴らしい経験をさせていただいたことに最大限の感謝の気持ちを表したく思います。長い,長い道のりを運転してくださった,本田寿久事務局長,および大学生の本田博之さん,スケジュールの管理他様々な場面でお世話になった村上裕隆リーダー。たくさん声をかけていただいた,4,5回参加されてきた大学生の西田怜奈さん,森花梨さん。何より,こういった機会を私たちのような者に与えるという活動を創始された,岩村義雄代表。その他,お弁当や現地の活動に協力してくださった皆々様に心より感謝したいと思います。
この気持ちは僕自身が近い未来この神戸国際支縁機構の活動に協力することで,恩返ししたいと思っています。是非それまでこの素晴らしい活動を続けていただき,またもっともっと周りの人間に認知され,大規模な活動になることを心より願っています。本当にありがとうございました。
“鬼怒川ボランティア 第56次東北訪問” に対して1件のコメントがあります。
コメントは受け付けていません。