第41次東北ボランティア報告

第41次(7/20-23)報告

生活再建は進んでいない。
 地盤沈下は深刻。

  倒壊家屋の現状に参加者は凍り付く

 

 インドからジョン・デバラジ氏(59歳)が同行。10名を本田寿久事務局長がJR朝霧駅から見送る。片言の英語で行きの道中から笑い声が絶えない。インド人は明るい。国ではストリート・チルドレン,それもダリットという最下層の子どもたちと生活を共にしている。差別のため生涯,路上生活者。そんな子どもたちに音楽,絵画,彫刻に親しんで,生き抜く技術を教えている。国連をはじめ世界各国から講演に招かれる。

 石巻では,万石浦幼稚園の園児,女川の仮設住宅集会所,西光寺でギターとハーモニカを奏でながら,日本語で自分の作詞作曲した歌を披露。ユーモアを交えながらも,インドの実態を語る言葉に聴衆は老若男女を問わず,釘付けになる。外で鳴くセミ,キリギリスの声も耳に入らなくなる。一行にプロジェクター,スクリーンがないとわかると亀山紘市長は迅速に配慮してくださった。他府県からのボランティアの小さな働きをも気にかける。被災地の復興をだれよりも願っておられる気持ちが私たちを励ます。渡波地区振興協議会吉野雄一会長や,阿部捷一支所長,中村熊夫女川仮設住宅自治会長もあいさつしてボランティア参加者を激励する。

 演奏場面

    デバラジ氏の演奏

 インドの働く子どもの数は1億3,400万人。ちょうど日本の総人口に近い。貧富の差が激しいインドで働く中心は子ども。3Kの仕事は子どもが従事する。鉱山で労働し,鉄鉱石,マンガン鉱などを掘る。野菜,果物,塩などの食物,絹,布,革などの衣類のために働く。日本をはじめ先進国の身の回りにある便利な携帯電話,パソコン,食器はインドの子どもたちの汗,血,涙の結晶であることを知らされる。デバラジ氏はアルコール依存症の親からの暴力,極度の貧困,「触れると穢れる」と忌み嫌われているダリットの子どもを集めて無料の学校を開く。

 東北ボランティアに神戸から出発する前日に来日。日本にはデバラジ氏を応援する人が少なくない。来日実現に骨折ったカメラマン中山尚幸氏(「『死』を考える」講座撮影記録)や,ピアニストの池邉幸恵氏なども同行。

 デバラジ氏は菅野増徳班長たちと植樹,沿道の管理に専念。池邉氏は傾聴ボランティア,他に田植えした稲の生育,雑草刈りに大学生林美輝さん,高校生森本拳士朗さんも奮闘。二名は兵庫県青少年本部の認定制度にも登録。機構の田には地元のボランティア遠藤司さんも加勢し,神戸からのみんなを励ました。東北と言えども,昼間は30度以上の気温になり,木陰もない炎天下の作業である。

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 渡波際前 中央 遠藤司さん

 初日の就寝前,宿舎でひとりひとりが東北に来た動機,感想を話した。「引きこもりで人前で話せなかった」と村上裕隆リーダー(24歳)が語ると,みんなは拍手。ひとつの家族になっている。仲間だから,自分の弱点をもさらけ出しても平気である。

第一面③修空館毛布前       修空館で

 今回,3人のボーイスカウト出身者がいた。北村洋一さんは幼い時の野外における体験の大切さが社会に出てから貴重と言う。学校,家庭では学べないロープ結索法,手旗,炊事などが思いがけない時に役立っている。ナイフで手を切ったりしながら,痛みがわかると人を平気で殺したりしない。失敗の体験をできるだけ早い時期に修得するように述べる。

 第一面①倒壊家屋

 宮城県石巻市湊町 倒壊家屋 2014年7月18日

 色々なボランティアを定年後も続けておられる三木 浩さんは帰宅後,メールを寄せた。

 「このたびはお世話になり有難うございました。お陰様でとても貴重な体験をさせて頂き感謝しています。わずか4日間でしたが10名が行動を共にしますと残念ながら 人間の性も露呈してしまいます。改めて自らも戒める機会とさせて頂きます。40回以上このようなボランティア活動を実施されてる事に対して岩村先生には心より深く敬服致します。今回被災者住宅を訪問、狭い傾斜した床での生活のご苦労を知りました。また22日,草刈り合間,みやこさんの昼食後のデザートに仮設住宅の斉藤さんからフルーツゼリーを頂きました。被災された方からの心温まる思いやりの歓待に、日が経つにつれ,心の中に有難うの気持ちが膨らんできました。一市民として寄り添い,想いを共有し支える意味も含めて自治会宛てに礼状を出したいのですがご存じなら住所を知らせていただけませんか?ご迷惑でなければぜひともよろしくお願い致します。最後になりましたが今日午後開かれます大阪大学でのデバラジさんの講演が盛況でありますよう心から祈っています。」と縁ができた参加者はおひとりひとりがつながりを持ちつづける。

 今回は直前であるにもかかわらず,石巻のビッグイベントであるサンファン祭に出演に術後であるにもかかわらず東奔西走してくださった佐藤金一郎氏ご夫妻にも感謝したい。

 来年以降,毎年夏にインドから石巻に行きたいとデバラジ氏たちは心に決めた。

 デバラジ氏と通訳

大阪大学にて 2014年7月25,26日

森本拳士朗君の報告

第41次東北ボランティアに参加して

 今回,このボランティアに参加した理由は,東北の3年経った今の状況を生で見てみたいと思い,インターネットで神戸国際支縁機構が東北ボランティアを毎月一回行っていることを知り参加してみようと思いました。そして,このボランティアに参加して実際に被災地に行き被災者の方たちの話を聞く中で感じることがたくさんありました。

 被災地の石巻市は,何もなく広大な草原になっていました。そして,被災した家を拝見しました。そこは,床がほとんど抜けてしまい,家の中の全てが流されていて言葉では表しきれない状態でした。また,津波の跡が生々しく残っており大人の背丈をも悠々と越えてしまう高さでした。

 そして,被災者の方々からは,地震直後の話,避難時の話,仮設住宅での生活の話,復興の話などテレビや新聞や雑誌では教えてくれない本当の話を詳しく教えてくれました。それは,とても恐ろしく想像し難いものでした。

 2日目,3日目は田んぼでの作業で村上リーダーに穂の見分け方からイヌビエの刈り方まで親切に教えていただきました。人生で初めて裸足で田んぼに入りました。最初は抵抗がありましたが,入ってみるとひんやりして気持ちよかったです。

 最後に,僕たちができる最大限のことは,被災地に実際に行ってみて実際に被災者の方々の話を聞いてマスメディアだけでは伝えることのできない本当のことを身近の人たちに伝えるということだと思いました。

 参加費は,交通費と宿泊費で19,000円,ボランティア保険代が500円,お弁当代昼と夜二日分で1,800円,温泉代二日分で1340円,朝食代は各自コンビニで買い,僕の場合は三日で500円程度でした。そして,夏ということもありお水代が,かなりかかりましたが,25,000円以内におさまりました。

 岩村代表,村上リーダー,参加者の皆さん,石巻市の皆さんのおかげで3泊4日と短い間でしたが本当にいい経験ができました,本当にありがとうございました。また,よろしくお願いします。                                                 森本拳士朗

 

 

 

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