阿部捷一宅前

宮城県神戸国際支縁機構石巻支所 阿部捷一支所長の語り部 右端 井垣智志さん 
3.11の体験を聞いて深刻な表情。

 井垣 智志 さん(同志社大学出身,6月以降カナダへ訪問)の報告

 震災から3年の年月が経過し,まちのある程度は復興が進み震災前の暮らしの様子が見られるのではないかと予想して東北ボランティアの活動場所である,宮城県石巻市渡波地区に向かった。現地に着いて,それが実状を見ずに都合のいい情報を私が組み合わせた安直なものだったか痛感した。

 門脇小の前には,民家の跡地があるだけで誰も住んでいない。小学校も火災で以前の校舎は使えない。その近くの西光寺にはまだ瓦礫が残っていたようにも思う。西光寺の住職に写真を交えながら,震災当時の様子を教えていただいた。地震が発生し押し寄せた津波に人々が巻き込まれていく様子が「地獄」のように感じた。また,メディアは起きていることのほんのわずかな部分の都合のよい情報を,真実ではないようなことをあたかもそうであるかのように伝えていることを知った。その後,場所を移して住民の方のお宅にお邪魔させていただき,震災当時や現状についてのお話を伺った。「津波がこの高さまで来た」「この前出逢った人がもう居ない」「生活が変わってしまった」など一つ一つ紡ぎだすように話していただいた。思い出したくもないようなつらい経験を話すことは簡単ではないと思う。それでも,こうやって話していただいたことに非常に心打たれた。

 初日の午後からは,石巻市渡波地域農業復興組合阿部勝代表の田植えの準備の手伝いをさせてもらった。何か役に立てる様なことができたかどうかわからないが,秋にしっかり稲穂をつけておいしいお米ができてほしい。

 このボランティアに参加して,行く前に想像していたより,まだまだ私たちにできることをしなければならないことがあると強く思った。3年が経過して少しずつ以前のように戻りつつあるところもあるようだが,全体的にまだまだ足りていないように思う。被災地の人たちが必死に踏ん張っておられるのに,私たちが何もしないことは日本人としてできない。私だけでは大きな何かモノを創ったり,贈ったりはできないけれど,継続して何か役に立てることをすることはできると思う。今回の参加で終わるのではなく,これからも被災地の方と一緒になって復興に向けての活動をやっていきたいと思う。
                                            2014.4.25  井垣智志

小島芙美子池田春子 
傾聴ボランティアで渡波の家庭にあげてもらう二班のそれぞれ。
有資格者の小島芙美子さん,池田春子さん。

 渡波の高齢者が寄り合う場所を8月までに,つくろうと計画。有資格者である者が神戸から毎月訪問することと,渡波に定住し,居宅介護支援事業所を開設していきます。

 佐藤金一郎氏の案内で,本田水産工場見学をしました。本田太社長が寛大に味見用として私たちにたくさん提供してくださいました。海のパイナップルと言われるホヤの瓶詰め,牡蠣のオイル漬け,燻製,さばなど味わった皆さんは美味に驚きました。さすが石巻は海産物の日本一です。海外でも,神戸でもホヤのおいしさを口にする機会がないだけに堪能しました。

 22日午後1時半,門脇4丁目の「祈りの杜」でのメモリアル・セレモニーに,傾聴ボランティアの合間をぬって,相馬夏実さん,熊本結唯さんが受付や,出席者に仕えてくださり,参加者から感謝されていました。

4.22メモリアルセレモニー

  「祈りの杜」メモリアル・セレモニー 樋口伸生住職が祈りの杜の経緯を説明。

 宮城県石巻市で震災が起きて3年。マグニチュード9.0の
類例のない大地震,津波が3,523人のいのちを奪いました。
行方不明は438人です。帰らぬ人となった家族,生まれ育
った心象風景を偲び,静かに手を合わせる場が必要です。
すべての見慣れた光景は一変してしまいました。
 愛する家族のいない現実,水産の仕事をしたくても働け
ない失業,「復旧,復興,再建なんて感じない」,風化へ
向けてオリンピックが拍車をかけています。若者が過疎,
高齢化,少子化だったふるさとに帰って来られなくした震災。
 悲しみを伝え,一歩ずつ前へ,希望を願いたい。
 苦しみを抱えながらも手を取り合い,祈りと復興に心を
注ぎ出すために石巻市門脇小学校に隣接する「祈りの杜」
が2014年3月9日にできました。3.11の際,約7メートル
の津波が門脇町,南浜地区を襲いました。火災も発生しま
した。門脇が200人,南浜は300人が犠牲になりました。現
在,見渡す限り両方の町は更地です。一面雑草が覆ってい
ます。
 そこに宗教の垣根を越えて,震災で亡くなられた方たち
を記念するモニュメントを記念するために集います。

  日 時 : 2014年4月22日(火) 午後1時半 
  場 所 : 門脇小学校東隣「祈りの杜」
  出席予定者: 浄土宗西光寺 住職樋口伸生(無量寿庵住職)ご夫妻
         伊去波夜和氣命神社 宮司 大國龍笙
         イスラム教 日本アハマディア・ムスリム
          協会本部長 アニース・アハマド・ナディーム
               仙台支部 サリッド・イルマン・タヒール
         チベット仏教  尊師 椿勇太郎 
         ハリスト正教会 司祭 田畑隆平
         日本聖書協会 主任 菊池義弘
         十字架作成者 滋賀県の田ヶ原弘ご夫妻
         神戸松蔭女子学院大学 教授 勝村弘也
         チベット仏教     深澤ひろ美
         (社)神戸国際支縁機構 石巻支所長 阿部捷一
         
   
 各宗教,各宗派は未曾有の震災をくぐり抜け,共生,共苦,
苦縁を味わいました。その結果,自宗の優位性より,手を携
えて,いのちの大切さを説くそれぞれの宗教,宗派の視座を
等しく尊重し,和みあう真理契機になりました。
 阪神・淡路大震災で被災を体験した宗教者は人生観,世界
観,死生観にあって,自然と共存する「草木国土悉皆成仏」
の感性に覚醒しながら,新しい天と地を構築するように平和
の結いに紡がれていきます。

祈りの杜司会者  遠路からの来会を感謝する司会者

祈りの杜セレモニー

西光寺本堂

 右端 樋口妙子夫人

季刊誌「支縁」No.7 編集後記 勝村弘也氏[神戸松蔭女子学院大学教授]
(第2,4,7,10,25,30.38次参加)

編集後記

2014年5月聖書支援NEWS

しだれ桜の前

 いつも快適な宿舎である修空館に泊めていただいています。22日の朝,小野寺脩館長の祖母さまが植えた美しいしだれ桜の前で記念写真。
 前日の疲れがいやされ,早朝からのボランティア活動にみなさん,繰り出します。後列右から二番目の賀本真司さんは震災直後の2011年6月にも陸前高田などにボランティア参加なさっています。今回は,連日,田んぼの作業に専念してくださいました。