季刊誌「支縁」No.14 2ページより抜粋

 稲刈り 
 2015年11月23日,24日,無農薬,有機のツヤヒメの稲刈りです。石巻では4回目です。農機コンバインを使わずに,ノコカマを用いて,手で刈り取ります。昔ながらの農法です。
 education(英語エデュケーション 日本語「教育」)の語源はラテン語エデュカティオ[「子ども」(ギリシア語パイディオン)+「導く」(アゴー)]に由来します。エデュケーションは大人から子どもへの一方通行ではなく,「子どもの資質を引き出す行為」に関係します。
 現地の新聞「石巻かほく」(2015年10月23日付)は,「神戸の学生ら6人と石巻在住の外国人親子,石巻市流留の私立万石浦幼稚園年長児60人が協力した」と三段抜きで報道しました。
 「稲刈り」の体験は園児にとり,未知の体験です。田園,あぜ,小川の中での自然への畏怖,ノコカマをもって苦労が伴う行為は学校教育,家庭教育,地域教育では得られません。現場で出会うかえる,バッタ,ザリガニや,虫に最初はおそるおそる触っては声をあげていたのが慣れてきます。現代っ子は指先の器用さだけを競うゲーム,スマホなど電子製品に囲まれて育っています。田んぼで身体全体で受けとめる体験を知らなすぎます。自然体験が貧しい時代に,里山・田園・里海で擦り傷をして,絆創膏をはったり,赤チンを塗るという体験は時代に逆行しているのではありません。むしろ心の豊かさを拡げる貴重な体験になっています。
 田植え,稲刈り,脱穀,餅つきなどを園児に取り入れる北川禮子園長の「体験」を重んじる方針に応じる幼稚園は恵まれています。
 初日は,石巻市在住のフィリッピン人,中国人,アメリカ人たちが家族そろって稲刈りの助っ人として来てくださいました。国際色豊かです。驚いたことに,小学生,それも低学年の女の子が鋸カマを上手に使って,サクッと稲の束をかります。訊いてみたらストレイカー・みのりちゃんは昨年,同じ場所で,万石浦幼稚園の年長組で稲刈りを体験していたのです。たった一度,一年前にしたことですが,大人のように上手に刈る姿には目を見はりました。
 年少組であった斉藤明治君(6歳 10月24日誕生日)は積極的に稲をだれよりも長く,刈り続けました。お父さんのギルバートさんも目を細めて見ていました。
 天日干しした無農薬,有機のツヤヒメは,11月24日,「田・山・湾の復活」収穫祭で丹野典彦さんから提供された生のり,牡蠣で調理したかき汁,生のり汁や,鹿肉汁を今年も味わいました。園児たちは自分たちで海苔をまいておにぎりをつくり,楽しみました。

 

 毎週,火曜日にJR朝霧駅前に集合!!  
 時間は機構に聞こう。携帯 070-5045-7127
 (石巻訪問の第3火曜日を除く)

  里山の自然の空間はやすらぎをもたらします。清水が流れています。シオカラトンボが目の前を行き交います。キリギリスもギース・チョン…。ほおじろが ♪チョッチュリッ、チョッチュリッ♪ ♪チリッピ,チリッピ♪  ウグイスがホーホケキョ,ホーホケキキョ,ケキョケキョケキョ…。 
 耕支縁で作業をし,汗を流す快感。お弁当があれば最高です。

 送り迎えします。飲料,タオル,長靴,帽子はご自分で用意してください。
 鋤,鎌などは機構の備品があります。
 ご自分の車で行かれたい方は駐車スペースはじゅうぶんあります。

女性農作業イラスト

 わたしたちの畑で生きましょう。うぐいすの鳴き声,小川には魚タモロコが素早く泳いでいます。生きた化石 カブトエビもいます。

カブトエビ

カブトエビ 2014年7月1日(火)午前9時48分 撮影 西区友清

 里山に住む人たちにはあいさつしましょうね。

 周囲には色々な食草もあります。スベリヒユもゆでておひたしにします。農薬の使用されていない場所なら生育します。

スベリヒユ

スベリヒユ

20140701西区友清

女性パワーが耕支縁の特徴です。溝口智子さん(第40次)

20140715櫻井由里子a

櫻井由里子さん(第39次)

イラスト女性

  生活は決して安定していない

 だが,生きがいが 土 にあるから

 君にも,だれにでもできる

20140701西区友清岩村b

20140527竹田&大段さん

 あなたは何を植えたいですか。 なす それとも 枝豆? 
 もちろん無農薬,有機です。低農薬ではありませんよ。ここでも保田ぼかし(無農薬,有機による乳酸菌こやし)による農法です。
 あなたも自分の植えた種,苗で育った作物を持って帰り,食卓で召し上がってください。
 安全な野菜ですから,水で洗わなくても,すぐに口に入れて味わえます。

イラスト女性a

友清

櫨谷(はせたに)神社の東側です。65号線の友清交差点を東に向かいます。

水色

「耕」支縁 (こうしえん)

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 「耕す」(英語のカルチャー cultureはドイツ語 Kultur ラテン語cultura)に由来。語源のcolere は「住む,耕す,世話をする,育てる,崇拝・礼拝する」の意があります。care(世話をする)の語源にもなっています。「農業」[英語 アグリカルチャー agriculture]のagriは「畑,野」と,culture cultivation[耕作]からできた単語であり,「畑の耕作」の意です。
 哲学者キケロ[紀元前106-紀元前43]は「魂の耕作が哲学である」と述べました。「耕す」とは土・文化・哲学・宗教に働きかけることです。労働として土に働きかける耕作や,居宅介護支援事業所など寄り合い所を造り,心のケアに仕えます。 炊き出し,就労について,村田充八理事からも,「共農支縁」など種々のネーミングが出され,話し合いました。最終的に,水垣渉理事が発題された“「耕」支縁”を採択しました。                                    (2014年4月26日) 

 毎週,機構の東北ボランティア参加者の有志は,神戸市東遊園地[市役所隣]の炊き出しに繰り出します。 食材は,フードバンク関西(浅葉めぐみ代表),釜ヶ崎の僧侶川浪 剛さん,玉龍寺(五百井正浩住職),西福寺(豊原正尚副住職),ひびき福祉会(後藤由美子 光円寺 第20次),横山豊宥住職から米,玄米が寛大に提供されています。調理については神戸フィラデルフィヤ教会(大嶋善直牧師)の協力を得ています。

神戸フィラデルフィヤ教会調理

    神戸フィラデルフィヤ教会調理場面

 玉の肌石鹸株式会社が寄贈してくださったハイエースも食材を取りに行ったり,メンバーの送迎に貢献しています。被災地である宮城県,福島県,岩手県からのご協力もあります。阪神・淡路大震災により家族,仕事,家を失った人たちのために,お互いにつながっている「縁」ができています。

20090627路上で生活をしている人a

『キリスト新聞』(2009年6月27日付)

 リーダーの楠元留美子さんから報告を随時していただきます。

 みなさんもご一緒にいかがですか。

 第36次東北ボランティアの参加者たちからの積極的な願いが実現に
至っています。
 機構の本田哲郎理事からも励ましていただいています。

  「路上で生活をしている人」(英語 Bag people バッグ・ピープル 《身の回りの物を紙袋に入れて持ち歩く様子から》 )が日雇い労働者として,就労できるようにお手伝いさせていただきます。ホームレスという言葉を用いません。なぜなら,英語でもHomeless と言えば,キャンプなど野外生活を楽しむ人たちの場合にも用いるからです。
 したがって,機構では,「路上で生活をしている人」や「野宿者」と呼ぶようにしています。
 
提供場面a

  提供場面

提供場面b

2014 年4月17日 20140424炊き出し

  就労として,機構は自分たちが契約している神戸市西区の田畑で共に土を耕し,作物を栽培し,収穫したものを食べていく自産自消「自分で作って,自分で食べる(消費する)」を目指します。衣食住の住居以外を,自分たちでまかないます。
 森岡忠義氏,岸本 豊氏(第11,19次)の寛大なご尽力により,野菜つくりと,おいしい安全な食べ物をいただくことができています。
 もし不足する場合,たとえば食材などは他のNPOや,団体と協力し,補充していくようにします。仕事に就くことで,勤労の喜びを見出します。
 無農薬,有機による栽培は従事する人たちの尊厳を保ちます。機械をできるだけ用いずに,田植え,雑草刈り,稲刈りなどの協同作業をします。すると機械購入費(コンバインなど1台に500万円以上),壊れやすい農機具の修理費代(2,3回で修理が必要),ガソリン代などの維持費さえ支出しなければ,年収400万円くらいが可能になります。目標であって,現段階で,専業で400万円を得ている方はいません。一次(生産)+二次(加工)+三次(販売)=六次により,生活,仕事,家庭が支えられます。

 趣旨に賛同し,手伝ってくださる方は,老若男女を問わず,神戸国際支縁機構にご連絡ください。

20140405西区友清の畑a

 保田茂講師の農学校で学ばれた岸本豊さん(画像左端)が若者たち
の耕作について導いています。

 

 将来への課題があります。「路上で生活をしている人」たちの寝る場所がまだ確保できていないことです。

 「Let’s 農林漁」の保田先生はいつも言われます。
 “有機農業とは,天機あり。大自然には自然を壊さないでうまく循環させる仕組みがある。自然に対する認識を深める。”

 反収あたりの経済能率,効率を追い求める農業に決別を告げます。農薬,化学肥料は日本人の健康を損なうばかりか自然生態をだめにしています。「田・山・湾の復活」を掲げ,里山,里海主義です。
 米国「Fortune誌」の調査 中小企業白書では会社の寿命は5年程度です。就活では,就農(しゅうのう),就漁(りょう),就樵(しょう)により,日本の豊かな自然,資源,エネルギーを活用する郷土にしましょう。

第二面③3人

中央 岸本 豊,右 山本智也,左 村上裕隆 2015年8月12日

 季刊誌「支縁」No.12  第二面から
         耕支縁 隊長 岸本 豊(第11,19次,丹波水害)

耕支縁 No.12

 大震災3日目に,大学生たちが東北に出かけようと声をあげました。そのとき,山本智也君は大学2年生でした。いつしか参加者のリーダーとして責任感をもって役割を果たしました。石巻市渡波との往復も大学卒業式(2013年3月)の時も石巻の「田んぼアート」に備えて農ボランティアに繰り出すほどでした。その後,支えを必要とする人々のために仕える職業,介護,ヘルパーを選びました。2012年,神戸
「Let’s 農林漁」で保田茂先生と出会います。東北ボランティアに参加した若者たちは毎月,無農薬,有機の大切さ,ごはん食の恵み,保田ぼかしなどたくさん学びます。月に一度,宮城県の石巻市渡波地域農業復興組合阿部勝代表の下で農業を実践します。智也君は昼間の仕事の関係で石巻にひんぱんに行けなくなりました。村上裕隆君は同じように石巻で農ボランティア班で土と格闘しています。若者たちは短
期間の石巻滞在だけでは,阿部勝,勝徳親子の技術,感性,知識が身につきません。

 神戸市須磨区に住んでいる筆者は東北ボランティアに参加し,ご一緒しました。神戸市西区友清で家庭菜園に取り組んでいました。過疎,高齢化,少子化の友清の地域の方たちの中でなんとか顔見知りになり,少しずつ集落に溶け込んでいる矢先に機構と縁ができました。
 機構は2014年4月から東北ボランティア参加者と炊き出しを始めました。保田先生は路上生活者が農法で自活するのは困難との助言をされました。機構は2013年から友清の地主の森岡忠義氏の土地を契約しています。炊き出しのため「六次産業」を目指して,地産地消できるように励んでいます。企業に勤めていたせいで農にはぜんぜん縁がなかった筆者です。平素,機構のため,物心両面で応援してくださる保田先生の農学校でも農法を学びました。無農薬,有機はコウノトリの餌のどじょうが住みつくことが条件だとも知りました。

 作業は最初,孤独でしたが,地元の人たちに受け入れられるようになり,仲間が一人二人と増えてきたおかげで,いっしょにバーベキューを楽しんだりします。2千年近く続いている里山・田園の風景は美しく,都会にはない自然があり,気持ちよく汗をかくことができています。野菜の栽培は雑草との戦いです。智也君,裕隆君に対して,忍耐強く,愛情をもって,ある時には社会で培った人間関係のマナーを教えます。作物を育てるには土壌を耕すことがたいせつです。機構の若者たちの心をも耕すことに少しでも貢献できればさいわいです。

岩村カヨ子夫人 友清で 2014年7月22日

左岩村カヨ子夫人 松原さん夫妻と 2014年7月22日

 <参照>岩村カヨ子夫人も若者たちの成長を気にかけています。柿作りで毎年メディアで紹介される森岡忠義ご夫妻も目を細めて青年たちを見守ってくださいます。友清の同労者に智也君のお父さんの山本勝さんも加わりました。上原俊基さん,河合敏行さんも応援してくださっています。小勝とも子さん,上河規江さんも申し込まれました。少しでも東遊園地(神戸市中央区市役所南隣)の炊き出し用の新鮮な野菜が備えられればと汗を流します。年金生活でも農のある暮らしは生きがいがあります。半分は農,残りの半分は好きな山登りです。青年たちとの農作業は老いを忘れさせます。代表夫婦にも彼らの成長を喜んでもらえればと情熱がこみあげます。